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きょうの旅のはじまり
今回の琵琶湖一周ドライブで一番楽しみにしていた計画。 それは、琵琶湖のすぐそばで一晩を過ごすグランピング。
琵琶湖の周りにはそれこそ数えきれないほどのキャンプ場やグランピング施設がある。どこを選ぼうか散々迷ったけれど、最終的に決めたのは滋賀県高島市にある「グランピングヴィレッジ滋賀今津浜」。
決め手は、評判の良さはもちろんのこと、何より「琵琶湖まで歩いてすぐ」という立地の良さ。ただお洒落なテントに泊まるだけじゃなくて、湖の気配を肌で感じられる時間を期待して琵琶湖沿いを北上した。
今日はそんな湖畔での豊かな滞在の記憶をゆっくりと振り返っていこうと思う。
写真で歩く「グランピング」
早速感じるグランピングの空気

目的地に到着。今回の宿「グランピングヴィレッジ滋賀今津浜」。 広々とした敷地内には白くて丸いドーム型テントが並び、どこか未来的な、けれど自然に溶け込んだグランピングと言われて思い浮かぶ理想的な風景が広がっている。
ここはドッググランピングも併設されているようで、エリアは分かれているものの、受付や駐車場は共通っぽい。愛犬とお出かけをすることも多い私としては「次は一緒に行きたいな」なんて想像が早くも膨らんでしまった。
ふたつのお部屋

今回泊まるのはドーム型テントと四角い建物がセットになった一区画。 分かれているのが実はすごくありがたい。右側のドームは寝室とリビング、左側の建物はトイレやお風呂、キッチンといった生活ゾーン。
テントの中でお風呂やトイレの気配がしないというのはアウトドア感とプライベート感のバランスが絶妙で、想像以上に快適だった。
徒歩1分で琵琶湖が強すぎる

荷物を置いてまず向かったのは施設から目と鼻の先にある琵琶湖。 徒歩数分、いや、スタート地点によってはもしかしたら1分もかからないくらいかもしれない。奥琵琶湖に近いこのエリアは水も驚くほど澄んでいて波音もどこか穏やか。
子連れなら最高の遊び場になるだろうし、大人ならただ波打ち際を歩くだけで日常の澱が流されていくような感覚になれる。この距離感こそがこの宿の最大の価値かもしれない。
何もしない時間のためにある

部屋の前のウッドデッキにはゆったりとしたアウトドアチェアが置かれていた。 ここに腰を下ろしてただぼーっと外の空気を吸う。「これぞグランピング」と思える至福の時間。
ただ、今回は5人のグループ泊で大きなドームだったのに、外の椅子が2脚だったのは少しだけ惜しいポイント。スペースの都合もあるだろうけれど、「みんなで並んで座れたらもっと最高だったな」なんて贅沢なことを考えてしまった。
焚き火で夜が変わる

夜の主役はやっぱり焚き火。 一組につき薪がひと束用意されていて、自分たちの手で火を育てる時間。お酒を片手にパチパチとはぜる音を聞きながら揺れる炎を見つめる。
丸太の椅子に腰掛けて火を囲んでいると普段は話さないような深い話題も自然と言葉になってこぼれてくるから不思議。
朝の外ごはんはちょっとだけ特別

翌朝、少し冷えた空気を吸いながら昨夜と同じ丸太の椅子で朝食を。今回はバーベキューコンロを使ってトーストを焼いてみた。アルミホイルやカップなどの備品が最初から揃っているから煩わしい準備は一切なし。
ただ外でパンを焼いて食べる。それだけのことなのに家で食べるそれとは全く違う特別な味がした。
ドームの中がちゃんと広い

今回選んだのは2つのドームが連結したタイプ。 奥が寝室でゆったりとしたローベッドが並んでいる。手前は開放感のあるリビング。ウォーターサーバーや冷蔵庫まで完備されていて、ドームの中にいることを忘れてしまうほど快適だった。
5人で泊まっても窮屈さは全く感じず、それぞれの時間を大切にしながらも一つの空間で過ごせる心地よさがあった。
生活ゾーンはしっかりしてる

生活ゾーンである建物側も驚くほど清潔。 こういう場所だとどうしても虫の存在が気になってしまうものだけれど、隅々まで手入れが行き届いていて、蜘蛛の巣一つ見当たらなかった。冬だったからかもしれないけれど、虫やその死骸を見かけないのは本当に嬉しいポイント。
ガス式のコンロはキャスター付きで気候に合わせて室内でも外でも動かして使えるのが便利。11月の朝晩はかなり冷え込むから、室内で温まりながら調理ができるのは冬のグランピングには欠かせない機能だと思う
ふと、思ったこと
「お洒落なだけ」じゃなかった
正直なところ、グランピングに対して「お洒落な雰囲気代で、内容の割に割高」という先入観を抱いている人も少なくないと思う。私もかつてはそうだった。
けれどここは違った。 もちろん価格はそれなりにする。ただ、そこで体験できること、至れり尽くせりのサービスを一つずつ紐解いていくと「これなら納得だ」と思わされる説得力がある。
お野菜マルシェが良い

素泊まりプランなのに小さな籠に好きな野菜を詰められる「お野菜マルシェ」のサービスがあった。 定番の玉ねぎやじゃがいもだけでなく、パプリカやピーマンといったバーベキューの彩りに欲しいけれど自分ではわざわざ買わないような野菜が揃っている。その痒いところに手が届く感じがすごく嬉しかった。
焚き火の前のサービスがすごい


それだけじゃない。共有スペースの焚き火ではマシュマロが焼け、なぜか焼き芋まで配られる。 さらにはポップコーン作りまで追加料金なしで体験できて、気づけばバーベキューを始める前にお腹がいっぱいになりそうなくらいもてなされてしまった。
飲み物まで「ご自由にどうぞ」
驚いたのはセルフ式のバースペース。 夕方から夜にかけて、ソフトドリンクはもちろん、ビールやワイン、各種リキュールまでもが「ご自由にどうぞ」というスタイル。
ここで飲み物をもらって焚き火に当たる。そんな時間が素泊まりプランの中に当たり前のように組み込まれている。
何もしない時間が贅沢
いろいろなサービスに心を躍らせたけれど、結局一番心に残ったのは朝の静かな時間だった。 テントに差し込む柔らかい光で目が覚め、誰に急かされることもなく湖畔を歩く。戻ってきて淹れたてのコーヒーを片手にただ流れる雲を眺める。
慌ただしい毎日の中で私が本当に求めていたのは、こうした「ただ何もしない」という贅沢だったのかもしれない。
そっと置いとく、豆知識
季節を選べば高くない
今回は一番大きなドームを5人で利用して1人あたり約17,000円。グランピングの相場からすれば決して高くはないし、受けられるサービスを考えればむしろコストパフォーマンスは高いと感じた。
プライベート感が保たれた空間
宿泊数は10組程度に制限されているから敷地内が人で溢れかえるようなことはない。受付や共有スペースでも待ち時間はほとんどなく、終始リラックスして過ごすことができた。
愛犬家にも優しい選択肢
ドッグランが併設されたエリアもあるから、次回はぜひ愛犬と一緒に訪れたい。こうした次を考えさせてくれる懐の深さもこの場所の魅力だと思う。
旅の余韻でしめくくり
「グランピングヴィレッジ滋賀今津浜」。 ここは間違いなく今回の旅のハイライトの一つになった。
サービスの手厚さに驚き、建物の清潔さに安心し、そして琵琶湖の近さに癒される。 ホテルや旅館のような完成されたおもてなしとはまた違う、自然の一部に居させてもらっているような、それでいて不自由を感じさせない絶妙なホスピタリティ。
朝、湖畔で感じたあの冷たくて澄んだ空気。 それを思い出すだけでまた明日から少しだけ頑張れそうな気がする。
季節が変わればまた違う琵琶湖の表情が見られるはず。次はもう少し長く滞在してみようか。そんなことを考えながら、私はゆっくりと荷物をまとめた。


